渉外相続
渉外相続とは
渉外相続という言葉をご存知でしょうか?
亡くなられた方やその相続人が外国人である場合や、日本人が外国に住所を有する場合の相続のことです。このような場合、その相続手続きに適用される法律がどの国の法律であるかを調査することから始まり、万一、裁判所の手続き等を必要とする場合にはどこに裁判所がその手続きをおこなうかなど、日本国内において日本国籍を有する方がお亡くなりになり、相続人全員が日本国内に住所を有する場合と大きく異なります。
ブラジル相続と韓国相続
弊事務所では、日本国内に最後の住所地を有するブラジル国籍の方、韓国国籍の方の相続手続き及び日本国内でお亡くなりになられた方の相続について相続人が外国に居住する場合の手続き業務を行っています。適用される法律の解釈と本国の言葉で記された書類の翻訳を、弊事務所所属の専任スタッフが対応します。
ブラジル相続
日本の法律では被相続人の国籍により、相続に関する手続きは被相続人の本国法により行うとされています。ブラジル国籍の方が日本国内でお亡くなりなられると、ブラジルの法律により相続手続きを進めることとなるのですが、ブラジルの法律では、財産の相続については、被相続人がお亡くなりになられた場所の法律により手続きをおこなうとされています。したがって、日本国内でお亡くなりになられたブラジル国籍の方の相続は日本の民法に従って進められることとなります。
問題は、日本人の相続の場合、市役所等で発行される、日本語で記載された戸籍や住民票が「相続証明書」として取り扱われますが、ブラジルにおける書類は本国(または領事館)で発行される出生証明書等がこれに該当します。収集の困難さとポルトガル語から日本語への翻訳が必要となりますので、日本人の相続手続きに比べ、時間と労力を要します。
弊事務所では専任のポルトガル語の翻訳、通訳者がおり、また他資格者も在籍しているため、年金にかかわる手続きや自動車の名義変更、相続された不動産の売却、日本への帰化申請のお手伝いなどをさせていただき、依頼者より大変好評をいただいています。
また、財産にかかる相続手続き以外の法律手続きにつきましては、日本在住のブラジル連邦共和国弁護士と連携して問題の解決に当たります。
なお、弊事務所では相続手続きのほか、弊事務所でできる在日ブラジル人の方々に提供することができるサービスを取りまとめた、ポルトガル語によるホームページを準備しています。詳細は下記URLからお入りいただきますようお願い申し上げます。
http://powerteam.jp/portuguese/
韓国相続
弊事務所では、韓国法、相続手続きに精通した所属行政書士が韓国籍の方々の相続手続きを行います。韓国国籍の方が日本国内でお亡くなりになられた場合には、原則として韓国の法律により相続手続きが進められています。
そのポイントは以下のとおりです。
【被相続人が韓国籍の場合】
韓国の法律に基づいて相続手続きを進める必要があります。
例外:被相続人が、法的に有効な遺言で「相続は日本の法律を適用する」と定めていれば、日本の民法に基づいて相続手続きを進めることができます。
【韓国の相続法と日本の相続法の違い】
韓国の相続法では日本よりも相続人の範囲が広いく、相続順位や法定相続分の割合等についても違いがあります。
【相続財産分割協議】
日本における「遺産分割協議」と同様、遺産分配方法が認められています。
相続人を特定し、相続人全員で行わなければなりません。
【相続手続きに必要な書類】
- 被相続人の除籍謄本(出生時からのすべての期間のもの)
- 被相続人の基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明遺書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人が韓国籍の場合は、基本証明書と家族関係証明書
- 相続人が日本国籍の場合は、日本の戸籍謄本(帰化している時は帰化の記載のある戸籍も必要)
- 相続財産分割協議書
※被相続人所有の不動産の名義変更の登記を行う場合は以下のものも必要。
- 登記簿上の住所から最後の住所までのつながりがつかない時は閉鎖外国人登録原票
- 相続して不動産の名義人となる相続人の住民票
- 相続不動産の評価額がわかる書類(評価証明書、固定資産税納税通知書、名寄帳)
- 相続して不動産の名義人となる相続人以外の全員の印鑑証明書
※家族関係や、戸籍の届出内容によっては上記以外の書類が必要となる場合があります。
※外国の書類は翻訳文を付ける必要があります。
【専門家に依頼する理由】
相続人の特定には膨大な量の書類が必要となることが多く、時間と労力が必要です。また、相続法を理解していないと、相続人特定は難しいです。被相続人に離婚した配偶者の子がいたり、養子縁組を行っていたり、子が被相続人より先に亡くなっており代襲相続が発生していたり、一筋縄ではいかないケースも少なくありません。必要書類となる韓国戸籍等の収集に手間取ることもあり、なかなかスムーズに手続きを進められないことがあります。
弊事務所では、チーム連携体制により、戸籍等書類収集・翻訳、相続人特定から、預金口座解約手続きや不動産登記手続き等各種相続手続をワンストップで対応可能。また、相続に伴う事業承継支援など、多岐にわたるご相談に応じることがでます。業務の内容によっては協力業者と共同で行う場合あります。